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瀬戸 和哉 屋根職人

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片岡 修 屋根職人

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その人の仕事と生き方を紹介

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瀬戸 和哉

屋根職人 | 社員

成田屋の職人として仕事に対する想い
第一線で活躍する彼らを徹底的に掘り下げ
仕事と人生という二つのワードから、その想いを探る

PROFILE
瀬戸 和哉 
1985年 平塚市生まれ
金目小学校
秦野曽屋高等学校
工学院大学専門学校

2011年4月 成田屋商店 入社

“自分の仕事が、
目に見えて残るから楽しい。”

―なぜ屋根屋の仕事を選んだ?
もともと外仕事、現場仕事がしたいという気持ちでいた。高校卒業後、最初は電気屋に入った。
そのあ大手工務店にはいったが勤務先が遠く、辞めてしまった。そして屋根屋の存在を知って何件か探してみた。前職で関わりのあった成田屋商店に面接に。

高所での仕事が好きだと感じて自分には屋根屋が向いていると感じた。
家つくりは大工さんが家を建てるように屋根屋が屋根を施工する。仕上がった現場の近くを通った時に見ることができる。

―屋根屋の存在 求人を見る前も知っていた?

知らなかった。大工仕事をしていたときもわからなかった
興味もなかった。屋根は大工さんが施工するものかと思っていた。
周囲の人にも自分の仕事の話をすると同じ様に言われる事が多く
あまり知られない職業だと思う。

―仕事のなかで得意な事は?

瓦の施工は少ないけど瓦を触っているときが一番楽しくて好きです。
瓦はメジャーな屋根材に比べて、手間がかかったり難易度が高い。
だから、それがうまくいって綺麗に仕上がった時は嬉しい。

―ここ最近楽しかったことは?

こどもとバーベキューをして楽しかった。ゴールデンウィークの期間だったので会社でもバーベキューがありこちらも楽しかった。
仕事だと、大阪への出張があり古い物件を手掛けたりといつもと違う地域での現場が新鮮に感じて楽しむことができた。


▲大阪へ文化財の補修へ。工事は10日間に渡った。

―文化財の仕事、どう思った?

はじめは、正直遠いし行きたくないなーと思っていたし難しくてうまくいくかとても不安だった。
やってみるとかなりやりがいを感じた。現場について、実際の建物を見たときは直せるかどうか不安だった。
瓦は少しずれるとすべてずれてうまくいかなくなるので。

―仕事中、楽しいなって思える瞬間はどんなとき?

仲間たちとのやりとりも楽しいから何事も楽しく感じる。
もちろん仕事自体も大好きで夢中になっている。

―成田屋での10年間。今、どんな気持ちで働いている?

入ったころはとにかくきつくてきつくて仕方なかった。
仕事は楽しかったけど厳しくて何度も辞めようと思ったことがあった。
屋根の仕事に遣り甲斐があったので続けてこれた。
いろんな外仕事をしてきたが屋根屋が一番合っているとおもったから。

働き始めたときは
何度も辞めようと思った。

―最近の現場でのエピソードは?

お客様からの声を直接聞ける時が嬉しい。
先日の大阪の文化財でも依頼主の声を生で聞くことができてとても嬉しかった。
また、同じ現場に同業者がくる事はないが、同業の屋根屋さんの話を聞くことができる機会があると楽しい。


▲実は甘党。社内で1番なのでは?!


▲2016年、瓦葺き技能士の試験にて

―社員の中で瓦葺き技能士1級を唯一持っているのですよね。

試験を受けるために休みの日にきて練習を積み重ねた。
2級を受けた時は入社したばかりで瓦の事を何も分からないまま受けた。教わった事をただただ練習した。
1級を受けた時は和瓦を多少現場でやっていたので寸法や進めていく段取りは頭の中で出来た。
実際やってみると、軒先の一文字の瓦を割り付け通りに刻んでつけていくのはかなり難しかった。

試験は2月、二俣川の体育館で実技試験を行った。
めっちゃ寒かったです(笑)
試験が始まる前にみんな自分の瓦が割れていないか念入りにチェックして、スタート。
試験が始まると音だけで、他の受験者が飛ばしてやってるのがわかりました。
自分は1番前の位置にいたので、周りが見えなくて焦りました。
結局1番最後までやっていて、ほかの職人さんは終わってお弁当食べてたり・・・
試験官は全員こっちを見ていたりでかなりやりずらかったです(笑)
結果的には時間内にやり終えて、

―仕事での失敗談は?

屋根材を屋根上にあげるための荷揚げ機の台車を現場に持ってくるのを忘れてしまい、材料すべて人力で上げたこともありました。
つい最近の話です。以前にもあったんですが意外と忘れがちです。
他には天候を読み誤って極寒の中で瓦のはがしをしたりだとか、大雨の中、上着もカッパも忘れて半袖1枚で仕事したとか。
意外とどれも最近です。

―今の仕事で一番意識している事は?

雨仕舞、仕上がりの美しさに注力して仕事をしていて。
そこだけは誰にも負けたくないです。


▲家庭では1児の父として

―”成田屋商店“どんな会社?

とにかくみんなが仲がいい会社です。前は部署で分かれていて自分の担当以外とは話さなかったけど今は事務所と職人の壁も無く、女性社員も増えて会社全体の雰囲気がよくなりました。
今、成田屋商店や若手育成や女性が活躍できる場になっていてこれからの時代のニーズにあった会社だと思う。

―どんな仲間たち?

年齢はバラバラで20~30代が多いです。
自分から見ると年下が多いけど職人の男同士って話が合うんですよね。
職人って見た目で怖いって思われがちなんですけど話すよみんな優しいんですよ。
仲がいいのでいい仕事をし易いです。阿吽の呼吸って感じでコミュニケーションがとれていて。
事務所に戻ると「おつかれさまー」って声かけて貰えると嬉しいですね。

―休みの日はどうしている?
ほとんどこどもといます。公園に行ったり、買い物に連れて行ったり。外に出て遊ぶのは一番喜んでくれる。

―お父さんの仕事のことを認識している?
していないとおもう。
―かっこいい姿なので写真で見せてあげたいですね。
おうちの上にいるなんてびっくりしますよね。

―最近仕事以外で頑張っている事は?

毎朝、出勤前にウォーキングをしています。
「走りなら負けない」という新人が
入社してきた時に仕事の後競争みんなで競争して
誰も勝てなかった。聞くと普段からランニング
してるっていうからじゃあ自分たちもやっちゃう?
っていう軽い感覚で。

―後輩たちに伝えたいことは?

とにかく、どんな事でもいいので目標をもって日々取り組んでほしい。まだ気づいてないことがあると思う。ただ仕事しているだけじゃ前には進めないから。
自分もそうだった。最初の頃はそんな余裕も無かったし、毎日課題をこなす事が精一杯だった。いまになって、あのときもっと意欲をもってやればよかったと思っている。

上達すればするほど仕事も伴って楽しくなってくるはずだから。自分に親方がいた頃にもっと色んな事に挑戦しておけばよかったと思っている。自分は気付けなかったがみんなには気付けてもらえたらいいな思って指導している。

―いま親方という立場にいてどんな気持ちでいる?
みんなが上達する様にとにかく協力してサポートしてあげたい。自分が怒られたりする分にはいいが若手が叱られたりしているところは見たくない。
何かを教えてあげるのは好きだけど注意とか叱るのは苦手で。思っている事があっても我慢してしまうことが多いです。教える立場としては課題でもあります。

―これから楽しみなことは?

若手が育っていく姿をみているのが楽しいが、今後なんの心配
もなく仕事を任せられる様になれたら嬉しい。
もちろん我が子の成長も楽しみです。

―今持っている目標は?

いまできないこと、新しい事に挑戦していきたい。
主に若手の育成に力をいれていきたい。

―いまの自分のポジションは?

遣り甲斐がある。少し前はどうなるかと
思ったけど実際いまの立場になってみると楽しい。
もっとみんなに意見を貰いたい。

人生での「仕事」とは?

仕事とは「挑戦」の繰り返しだと思います。
毎日違う現場、環境で仕事をする中で常に先を読んで行動。
若手にどう指導すればうまく成長で来てくれるのか?
自分自身の知識、技術の向上。
毎日のすべてのことが挑戦。

日々、仕事楽しんでできる様に工夫してます。
趣味と仕事って近いものがあると思います。いかに仕事を楽しくできるかどうかで日々のモチベ―ションも変わってくる。
仕事が楽しければ意欲や向上心も自然と沸いてくるし。
苦手なこと、やりたくない事ほど水から向き合って克服していくように意識してる。そうすると自信になっていくし、達成感や楽しさを感じるようになってどんな仕事もこなせるようになれると思ってる。

屋根の知識はもちろん、ほかの業種の人達と関わる中で家造りに関する知識を高めていきたい。

西の屋根屋で修業してみたい思いは以前からあります。
一緒に仕事してみたり、修行させてもらいたい。今は家族もいるので難しいけど機会があれば。

自分自身は目標にしている屋根職人さんがいる。お金のことよりお客様の事を考えて仕事をしたい。
目標にしている職人さんはお客様の事を最も考えて手をかけて仕事をしている。

「この人に任せれば大丈夫!」

そう思ってもらえるような職人になりたい。

挑戦しないことには
何も始まらない。